【バレエの基本】腕のポジションを覚えよう|ノアバレエ教室

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脚のポジションがあるように、腕にもポジションがあります。
腕の動きの事をバレエ用語で「ポールドブラ」といいます。
しかし、流派によって番号が少し異なる場合があります。
今回は番号ではなく名前でご紹介していこうと思います。


■ 基本の腕のポジション


(1) アン・バ


位置を表す前置詞『En』と「下」を意味する『Bar』なので、両腕は下に位置させます。このポジションで始まり、このポジションで終わるでしょう。肘を横に軽く張り、丸みを持たせ、指先は太ももにつけることなく、少し隙間をあけます。


(2) アン・ナヴァン


『avant』=「前」を意味するので、手のひらを内側に向けた両手を、肘が床を向いてしまわないように左右に張りながら、胃の前辺りで丸くします。中指と中指の間は少し隙間を開けます。腕で少し大きな風船や樹木を包みこむようなイメージです。


(3) アン・オー


『haut』=「高い」「上に伸びている」を意味するので、両腕は上で保持したポジションです。アン・ナヴァンをそのまま頭上へ。アン・バの反対と言いますか、両腕を上方にあげ、丸を手のひらを内側にして丸く、肘は耳の真横ではなく視界に入るように少し斜め前にします。
また、アン・オーから手を外側にふんわりと開く事を「アロンジェ」と言います。


(4) ア・ラ・スゴンド


『アラセゴンド』『アラスゴン』と聞こえる場合も。『seconde』は「2番目の」という意味。(『a la』は前置詞&冠詞)
バレエで言う『2番』は、手や足を身体の横方向に広げたポジションのことなので、両腕を横に広げたポジションです。アン・ナヴァンから左右に腕を開きます。手のひらは身体の正面、前を向けて、腕は開きすぎず、手のひらが視界に入っているように。そして肘と腕全体は丸みを帯びています。


■ 腕の動きは背中から


(1) 肩甲骨の重要性


バレエではよく、肩甲骨を下げると言われます。「肩を下げる」と言われた時に肩を下に押し込んで鎖骨を無理やり下げようとしている状態をたまにみかけますが、この状態は、実はとても危険です。
肩を無理やり押し込むとその周辺の筋肉が固まり、腕を動かす神経が圧迫されしびれを起こしたり痛みを感じたりしてしまう可能性があります。
腕(上腕骨)は肩の一番端、鎖骨と肩甲骨がぶつかる部分から繋がっています。ということは、腕を上げると肩甲骨が動きます。そこで肩甲骨の動き方が重要になってくるわけです。


(2) 肩甲骨の筋肉の動き


肩甲骨は、三角形の板状の形の骨が肋骨の背中側に周辺の筋肉によって貼りついている骨、つまり筋肉のみで支えられている骨です。
筋肉が固まったら肩甲骨は動かなくなってしまいます。しかし日常でスマホを見る、PCを見る生活が続くと背中は丸まり、気づくと肩甲骨周りの筋肉はカチカチになってしまいます。固まったまま動かしたら腕も固い動きになり、肩が上がります。
レッスンの前に肩甲骨周りを良く動かしほぐしてみてください。


(3) 肩甲骨のエクササイズ


レッスン前の肩甲骨の運動としておススメなのは、
◉背中を丸くして肩甲骨同士を背骨から離す
◉肩甲骨を真ん中の背骨に近づける(この時できるだけ身体を反らさお腹を出さないように)。
レッスン中は、
◉肩や肩甲骨を「下げる」というよりも、「背骨から離して安定させておくという意識。
◉腕を上げる時に肩甲骨から繋がり背中を広くしながら持ち上げるイメージ。
肩甲骨から腕のつながりを感じるだけで上半身が安定して、更に身体の引き上げやすくなります。
肩甲骨は他にも様々な動きをしながら、腕を支えていますので、日常の生活でも肩甲骨を少し意識してみて下さい。
それだけで、日常の姿勢も素敵に変わっていきます。


■ 流れるような動きに!腕のポジションの練習方法


先ずは、脇の空間を使った腕の動きが難しい、ポールドブラの基本を説明します。腕の動きはアン・バからアン・ナヴァン、それからアン・オーに移り、ア・ラ・スゴンド。最後はまた、アン・バに戻ります。全体として、上半身をゆっくりと、美しく旋回させてゆきます。
アン・バの肘の位置をキープする事を意識し、脇下の空間を維持します。また、肘の曲げ過ぎには注意しましょう。
アン・オーからア・ラ・スゴンドに開く時、ドシっと腕を下ろさない様に気を使いましょう。常に長い手を作りましょう。
バレエの美しさは、舞踊であり表現です。基本、音楽を聞いて、動きます。ポールドブラは流れる様に、手を長くして旋回する事を意識してみましょう。上達してくると、他の生徒さんと、ご自身の違いが気になってくる時が訪れます。


-終わりに


テクニックがいくらあっても、ポールドブラが雑な踊りでは見ていて面白くありません。
逆を言えば、テクニックはまだまだでも、ポールドブラさえ美しければ、とても見ごたえのあるバレエになるという事です。
更にポールドブラは、経験を重ねるごとに、どんどん上達していきます。
経験年数の長いベテランでも、毎回のレッスンでポールドブラは変化していきます。
とても奥が深いですが、その分難しさも感じられるかもしれません。
しっかり練習をし、美しいバレエを目指しましょう。