サタネラのヴァリエーションとは?|ノアバレエ教室

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-はじめに
ガラコンサートやコンクール、発表会で踊られる「サタネラ」ですが、一体どんなキャラクター?難易度は?等疑問を持っている方は少なくないのではないでしょうか。ここでは、サタネラについて一緒に見ていきましょう!


■ バレエ作品「サタネラ」とは


(1) 原作とは違う物語


原作は、「悪魔の恋」というフランスの作家カゾットの小説です。
悪魔を呼び出してしまった青年アルヴァーレと悪魔ベルゼビュートの物語です。悪魔は召使いビヨンデットとしてアルヴァーレに仕えますが、「自分が心を持っていること」に気づき「少女ビヨンデッタ」となってアルヴァーレに恋をします。
ビヨンデッタに惹かれながらも悪魔に恋をすることに対し葛藤するアルヴァーレ。悩み抜いた挙句、彼はビヨンデッタを振り切って家に戻り「お母さんが選んだ人と結婚しなさい」と説教されて話は終わります。
しかしバレエでは、小説とは真逆に学生カールが悪魔サタネラに恋をして婚約者を捨ててしまうという内容の全一幕の作品になっています。


(2) 現在のサタネラ


現在は幕もので上演されることはなくパドドゥのみで踊られることが一般的となりました。また、サタネラではなく、作品名も「ヴェネチアの謝肉祭」と変えられるケースもあります。


(3) サタネラの音楽


ガラコンサートなどで踊られるサタネラのグランパドドゥですが、バレエ作品ではなく、パドドゥのみ独立しています。プーニ編曲の「ヴェネチアの謝肉祭」にプティパが振り付けをしたものが一般的になっています。


■ 仮面は必要?サタネラの衣装


バレエのお話では、2人が結婚するときにサタネラが仮面を取り、悪魔の姿を現すというシナリオがあるようです。パドドゥを踊るときはアダージオで仮面を外すシーンがあるため、つけることが多いですが、コンクールや発表会でヴァリエーションのみ踊る場合は必要ないでしょう。
サタネラという名前は、英語などで悪魔を意味するサタンからきていると言われています。衣装は黒色。黒は女性を一番綺麗に見せる色と言われており、男性を誘惑する悪魔らしい装いになっています。
女性は首にチョーカー、紙飾りには悪魔の羽根を付け、黒やのチュチュに身を包んでいます。


男性も黒がメインの衣装となっており、タイツも黒くする場合が多いようです。
サタネラの衣装と同じようなものを使われることがあるキャラクターに、アレルキナーダがあります。アレルキナーダはピエロのお人形や妖精をもとにした女の子です。時々入るマイムや可愛らしい振り付けも魅力的です。


☆サタネラの衣装のレンタルを行っているレンタルショップも多数あります。
・アルモワール・ドゥ・コスチューム
http://www.armoire.jp/a/a278.html
http://www.armoire.jp/a/a254.html
※アルモワール・ドゥ・コスチュームでは、個人のレンタルはしていません。


・アトリエ・ヨシノ
http://www.atelier-yoshino.com/gallery01/


・衣装のABT
https://www.ishonoabt.jp/products/detail.php?product_id=1087
https://www.ishonoabt.jp/products/detail.php?product_id=475


■ サタネラは難しい?難易度は?


サタネラの難易度は、一概には言えませんがやや難しい方に入るでしょう。男女で踊るアダージョはゆっくりとしたテンポと早いテンポが混じって、その中で描かれる恋の駆け引きを表現するのはとても難しいことでしょう。女性ヴァリエーションにおいては、ポワントで立つことが多いためジャンプよりも回転が得意な人に向いているようです。グランジャンプがほとんどないので一見簡単そうに見えますが、強い軸とそれを支える筋肉がなければいけません。


また、サタネラは物語上男性を惑わす悪魔の役なので、バレエ教室によっては子供は踊る事が出来ないところもあるようです。
バレエショップのチャコットからは、CDだけではなく、ワガノワ・バレエ・アカデミーによるサタネラの女性ヴァリエーションのレッスンDVDも販売されています。
https://shop.chacott.co.jp/product/detail020122-5132-68_010.php


-終わりに


サタネラは様々なバレエ団のコンサートでも踊られています。インターネット上にはたくさんの動画がアップされているので、参考になるものがあるのではないでしょうか。


・エフゲーニャ・オブラスツォーワとアレクサンドル・セルゲーエフ(マリンスキーバレエ団)


・ヤーナ・サレンコとディヌ・タマズラカル(ベルリン国立バレエ団)


皆さんが素敵なサタネラを踊れる手助けになりますように!