■ はじめに
バレエの練習の際に、音楽は非常に重要な役割を果たします。音楽が持つリズム、テンポ、メロディが練習に与える影響をうまく活用することで、より効果的でインスピレーションを引き出す練習ができるでしょう。それぞれの練習内容に合わせて音楽を選ぶことで、精神的にも安定しやすくなります。
■ 1. 練習の目的に合わせた音楽選び
バレエの練習は、たいてい3段階に分かれて行われます。
「ウォームアップ」・「技術練習」・「クールダウン」で構成されており、それぞれやることは違ってきます。練習の目的に合わせた音楽選びは、成長に大きくつながってきます。
〇ウォームアップ
穏やかでリズムの安定した音楽を選ぶことで、心をリラックスさせ、身体をほぐしやすくし、関節や筋肉を伸ばす感覚を高める効果があります。ゆったりとしたクラシックや軽やかなジャズ、ピアノソロなどが向いています。
例.モーツァルト「ピアノ協奏曲第21番」
〇技術練習
明るく元気なリズムでモチベーションをアップさせ、更に明確なリズムが、正しいタイミングで体を動かすことを促進するため、集中力を高め、素早い反応を引き出します。モーツァルトやバッハの明確なリズムのある楽曲やバレエ特有のクラッシク音楽がおすすめです。テンポが均一で、ダンスのステップにぴったり合った曲を選ぶといいでしょう。
例. 「眠れる森の美女」や「ドン・キホーテ」
〇クールダウン
クールダウンは、身体をリラックスさせ、心拍数を正常に戻すことが目標です。そのため、リラックスできる優しいゆったりとした音楽が適しています。例.ジムノペディ大1番、G線上のアリアなど
■ 2. 音楽のテンポに注目
例えば、プリエだと関節を開きながら動き、身体を温める目的があります。この場合は、ゆっくりとしたテンポの音楽を使うのが適しています。このように、動きの種類と目的に応じて、音楽のテンポを調整することによって、身体と音楽の一体感を育てることができます。
■ 3. バレエのスタイルに合った音楽
〇クラシック・バレエ
優雅で、音楽に忠実な構成が特徴です。メロディとリズムがはっきりしていて、テクニックや物語表現を際立たせやすいです。
『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』、『眠れる森の美女』などが代表例です。
〇モダン・コンテンポラリー
クラシックの基礎を保ちつつ、現代的な動きや即興性を取り入れています。繊細な感情表現や抽象的な動きに合わせやすい曲が適しています。表紙感が自由で、感覚的な表現を引き出させます。エレクトロニカ、アンビエント、マックス・リヒターなど使ってみてください。
バレエのスタイルはいくつかあり、特徴も様々です。それらに合った曲を選ぶことで、更にダンスに盛り上がりを加えます。
■4. 自分の気分やモチベーションに合わせる
音楽に合わせるだけでなく、音楽を選び、気分やモチベーションを高めることも、表現力や集中力を高める効果があります。自身がどんな気持ちでいるか、どのように練習や発表会に挑みたいかによって、音楽を選びましょう。