◾️ はじめに:バレエを始める前に知っておきたいこと
◆バレエってどんなもの?
バレエといえば、その洗練されたしなやかな動きと華やかさ、上品な動きが特徴的です。踊りで作品を表現したり、クラシック音楽に乗せて踊ったり...バレエの踊りそのものだけではなく、音楽や舞台芸術とも一体化した面白さを持つのがバレエでもあります。
またバレエのレッスンには、筋力や柔軟性の向上、姿勢の改善など、自身の身体に期待できる効果があります!
◆バレエって難しい?-バレエ初心者が抱きやすい不安
しかし、バレエをやってみようと思っても、・柔軟性やバランス感覚、リズム感がないと難しいのではないか?
・運動やダンスの経験がない人にとってはハードルが高い?
・年齢を重ねるともうバレエには挑戦できない?
といった不安を感じ、一から挑戦するのは困難に感じる方も居ます。
当記事では、バレエの基礎知識や、バレエを始める前に準備すべきこと、具体的なレッスンの流れや動きの紹介、バレエが初めての方でも挑戦しやすいトレーニングなどについて紹介しています。
初めての方にとっての不安要素を少しでも取り除き、「バレエに挑戦するのって、案外難しくないかも...!」と実感していただきたいです!
◾️ バレエを始める前の準備
◆まず準備しておくべきもの
欠かせないのが踊るためのウェアーです。所持していない場合は、最初のレッスンは動きやすいTシャツなどでも問題ありません。ですが、・レオタード
・タイツ
などの、身体のラインが見え、筋肉の動きなどが可視化できるウェアーが好ましいです。
そして、もう一つ欠かせないのがバレエシューズです。
バレエというとつま先立ち(ポワント)のイメージを持ちやすく、硬いトゥシューズをいきなり履くのではないか?と感じてしまいますが、初心者であればトゥシューズではなく、柔らかく足にフィットしやすいバレエシューズで大丈夫です。
◆バレエレッスンでの適切な髪形は?
長い髪は、顔にかかったり、バラバラになったりしないよう、後ろでひとつにまとめる(シニヨン)のが一般的であり、マナーでもあります。初めての方も、簡易的にお団子にくくり、短い毛はピンで留めて固定すればOK!ショートヘアの場合は、後ろで結うことができなくても、耳にかけてヘアピンやワックス、スプレーで固定したりハーフアップにすることでまとまった印象にすれば大丈夫です。
◆自宅で簡単なストレッチをして準備しよう!
バレエでは、何のために柔軟性を高めるウォームアップを行うのか?⇒それは、運動前の準備として怪我を予防することはもちろん、身体を温め、可動域が増えて身体を動かしやすくなる為、出来る動きが増えたり、姿勢を正しく整えたりする効果があります。
主に、背中、股関節、脚や足首、凝り固まった首や肩をほぐすストレッチが効果的です!
・ストレッチの例①
胡坐をかくように座り、両足のかかとを合わせ股関節に近づけてキープ。膝を床に付けるように少しゆらゆら動かす。
・ストレッチの例②
片膝を立てもう一方の脚を後ろに伸ばし、腿とふくらはぎを伸ばす。
座った状態だけでなく、寝転がった状態から腰をねじったり膝を身体に寄せたりするストレッチも効果的です!
ここで無理に伸ばそうとするのではなく痛みを感じない程度に、体が硬い人もゆっくりコツコツと継続することが、怪我を未然に防ぐことにも繋がります。
◆筋肉をほぐし、動かしやすい身体を作ろう!
バレエにおいて、柔軟性と同じくらい重要なのが筋肉の強化です!筋肉を鍛える準備として、まずは主に背中全体、もも裏、足首、股関節、お尻などをほぐすことが重要です。これはレッスン後の身体にも有効です。
ウォームアップと同じ様に伸ばして筋肉を緩めるほかに、自宅でしっかりと入浴するアフターケアも。筋膜ローラーや、なければテニスボールなどの簡易的な道具を使ってふくらはぎや背中、太ももをほぐすのも効果的です。
◾️ バレエの基本姿勢
◆バレエの正しい立ち方を学ぼう!
バレエには、正しい「足の位置」が存在します。高難度な動きやバレエにおけるジャンプなども、この足の位置から始まります。足の位置は主に1番から5番まで分かれ、指導される先生がこの番号を言って指示することも。
どのポジションでも、まず足は外開きに。
①基本姿勢となる1番は、かかとをつけてつま先を左右外側に開く。最初は角度が狭くてもOK!
②1番ポジションの状態から、足を肩幅程度まで外に開く。つま先は外側に向いたままにする。
③2番ポジションの状態から、片足を軸足に戻す。この時、戻す足のかかとを軸足の土踏まずに付けるように、足を前後させる。
④3番ポジションの状態から、前にある足を更に前に置く。1番ポジションから前に出した状態、と捉えると解りやすい。
⑤前に出ている足のかかとを、軸足のつま先に付ける。3番ポジションよりも更に足が内側に入るため、やや難易度が高い。
いずれのポジションを取る際も、上半身が前かがみになりラグラしないよう背筋を伸ばしバランスをキープすることが大事です。ただ身体を反るのではなく、あくまで頭を上に引かれるようなイメージでまっすぐに身体を引き上げ、あごは引き、足元を見ず目線は前を向きましょう。
◆手も美しく、正しく使おう!
バレエ特有の優雅な動きや表現には、脚だけではなく、腕の運びや手の使い方も重要なポイントになります。しなやかな腕の動きは、踊りをいっそう美しくする要素でもあります!
肩から腕を回すのではなく、肩を下げて鎖骨を開き、背中から回すように腕をゆっくりと動かすことが大事です。
脚のポジションのように、腕にも基本の動きやポジションがあるので1つずつご紹介します!
①アン・バー
バレエのアームポジションの最も基本的な型。両腕を下した状態で、肘をまげて ゆるく丸めた円のような形を作る。手のひらは内側に向け、脇はしめずに空間を作る。
②アン・ナヴァン
1番で作った腕の形のまま手を引き上げ、前に持って来る。この時、腕だけを持ち上げたり肩を上げたりせず、背中からゆっくりと引き上げることを意識し、手のひらは身体の方に向ける。
③アン・オー
1番、2番よりもさらに上に引き上げ、手のひらが頭の真上よりも少し下のおでこの上あたりになる位置に置く。
④ア・ラ・スゴンド
2番のポジションから、手を開き横に広げる。腕はピンと張るのではなく、伸ばし切らずにやや丸みを持たせ、やわらかい印象に。
⑤アロンジェ
内側を向いていた手のひらを外側に向け、ゆっくりと伸ばす。
どのポジションでも、腕は振るのではなくしなやかに、空気を抱えるようなイメージでやわらかく動かすと同時に、頭を上に引かれているのをイメージして背中を正しい姿勢に保ったまま、そして呼吸を一定に保ちながら腕を動かすことが重要です。
◆身体の軸を意識し、バランスを保つには?
バランスを保つためには、特に体幹の強化が重要です。では、体幹を鍛えるための基礎的なトレーニングには何があるのか?主に、プランクや、腹筋・背筋のトレーニングによって、身体の核となる体幹を強化することができます。
実際にバレエのレッスンを行うときは、バレエバーを使って身体を支え、バランスを掴むトレーニングを行うことも多く、慣れないうちはバーの支えを借りてバランスの感覚をつかんでいくことが、大事なプロセスになります!
もちろん筋肉・体幹の強化だけでなく、十分な柔軟性の強化や、背筋の伸びた正しい上体の姿勢もまた、全体的なバランスアップの大事な要素の一つでもあります。
◾️ 初心者向けの基本動作
バレエの基本となる動作の中で、バレエが初めての方でも挑戦しやすい動作をここで学んでいきましょう。
プリエ(屈伸)
膝を曲げる屈伸運動で、通常の屈伸と異なる点はやはりつま先が外に開いていること。両足のかかとを付け左右のつま先を外に開いたまま、膝をつま先と同じ方向へ向けたまま腰を落とします。バレエでジャンプをする前や着地に使われる動作でもあります。
タンデュ
足を、床を滑らせながら動かす動作のこと。1番ポジション、または5番ポジションから足を床をスライドしながら動かし、つま先を伸ばします。この時、膝を曲げたり膝に体重をかけたりしないよう注意しましょう。
ジャンプ
初心者が挑戦しやすい最も基本的なジャンプは、両足を使って小さく真上に跳ぶジャンプです。足の位置は5番ポジションに置き、真上にジャンプします。空中では両足は付けたまま開かず、音を立てないよう着地します。着地の際はしっかりとプリエ(屈伸)を入れましょう。跳ぶときや着地に片足だけを使ったり、足を入れ替えたりする高難度なジャンプと違い小さく上に跳ぶジャンプなので挑戦しやすいです。
アラベスクやポーズ
バレエの踊りの初め・終わりや動きのつなぎ目、見せ場では様々なバレエのポーズが存在します。その中でも最も代表的と言えるのが「アラベスク」という、片方の足で立ち、もう片方は後ろに地面と平行になるところまで上げるポーズです。体が前に倒れないよう背筋を伸ばし腹筋を使います。最初はバレエバーで支えながら練習したり、無理に足を上げず低い所から始めましょう。
◾️ バレエレッスンの進め方
バレエレッスン
ストレッチなどのウォームアップで硬い体を伸ばしたのち、①バーレッスン②センターレッスンの2部に分かれて行うレッスンが多いです。
バーレッスン
バーで支えながら基本的な姿勢を確認し、レッスンの後半に向けて身体をウォームアップ、バランスの感覚を掴むなどの目的があります。
後半のセンターレッスン
バーの支えを借りずに基礎から応用した動きを取り入れています。バーレッスンで掴んだ感覚や姿勢、筋肉の使い方をここで活かす練習でもあります。
◆レッスン中に意識すべきことは何か?
バレエレッスンで、正しい姿勢と同じく重要なのが筋肉を緩めるための「正しい呼吸」であり、怪我を防ぐための大事なポイントでもあります!つい動きに集中し呼吸を忘れてしまったり、力んで肩が上がってしまったりしないよう、常に呼吸は止めずに鼻から吸って口から吐くのを意識しましょう。
プリエやジャンプなど、動きを深めたり下がったりするときは吸い、伸ばしたりジャンプを放ったりするときは吐く、という呼吸のタイミングを付けるとやりやすくなります。
◆バレエ初心者がやりがちな失敗と注意点を知ろう!
バレエに初めて挑戦する方がやってしまうことが多いのが、無理をして身体を痛めてしまったり、怪我してしまう事。ついていくことへの焦りから、呼吸を蔑ろにしてしまい、それによって身体が強張りバランスがとれなくなる、無理に伸ばそうとして身体を痛めたり怪我をしてしまう、音を聴く余裕がなくなり急いでしまって、優雅さに欠けてしまうなど...。このことが怪我を生む要因になってしまいます。
バレエが初めてでも焦らず、自分の成長のために今できること、今できていないことを理解し、一個一個クリアしながら次のステップに進むことが大事です!
◾️ 継続するためのコツ
バレエを始めたばかりだと、つい周りと比較して、もっと難しいことをできるようにならなければ!と考えてしまい挑戦しつつも結果が出ずあきらめてしまうことも...。しかし、自分に合った、簡単でも「継続できる」目標を設定することが大事です。
継続するためには、「小さな目標」を自身で設定して成長を実感することで、挑戦へのハードルも低くなり、かつ一つ一つ達成していく達成感を感じることができます!
例えば、
・身体が硬く足が上がらない
・開脚ができない
という方は、「まずは90度から痛みを感じなくなるまで続ける」「それをクリアしたら次は100度まで開いてみる」など目で見て分かりやすい変化を付けながら毎日続けてみましょう。
片足で立つバランス感覚も、まずは3秒~5秒の短い時間だけでも立つ練習をし、それができるようになったら8秒、10秒と増やしていくなど...。
毎日という目標が困難であれば、「何曜日でもいいから週に3回は必ずやる!」と決めるなど、無理のない範囲でかつ継続が可能な目標設定が大事です。自分に合った目標設定を行うことがバレエ上達の鍵となります!
◆日常生活の時間でも、姿勢や柔軟性を維持したい!
バレエレッスン中以外にも、バレエの正しい姿勢や柔軟性強化を意識する時間を生み出すことができます。日常生活の中では、机に向かって座ったり、スマートフォンを見たりするときについ背中が丸まってしまいがち...。そういったときに、背中を伸ばし頭を上に引き上げ姿勢を正す癖をつけることで、バレエの姿勢に活きてくるはず!
姿勢だけでなく、柔軟性維持のための時間も組み込むことができます。
自宅で、床に座ってストレッチや柔軟を行うタイミングが無ければ、歯を磨いている時間、電車の中で立っている時間にも首を回したり、足首を回したり、足の位置を確認するなど...。細かな時間の積み重ねが、バレエの上達に欠かせない材料になります!
◆バレエは一人じゃない!仲間やレッスン仲間と楽しむことの大切さ
一人でレッスンに参加し、自身の成長に向き合うだけでも、その勇気は素晴らしいものです!!しかし、レッスンで知り合った他の人や、同じようにバレエに取り組んでいる人の存在も偉大なものです。
一緒に取り組む仲間が居れば、バレエの楽しさや難しさを共有したり、分からない部分や上手くできない部分を一緒に考え、できるようになるまで共に模索することができたり、何より、他の人も一生懸命に取り組んでいるということを知ると、自分自身へのモチベーションも上がるなど、他者の存在が自分の成長にもつながります。
◾️ まとめ
バレエ特有の洗練された上品で優雅な動きからは、「バレエって難しい」というイメージを最初は持ってしまうかもしれません。しかし、それらは脚や手のとても基本的な動き、筋力や体幹、柔軟性を鍛える地道なトレーニングなど、基礎を積み上げたことによって完成されるものであり、そしてそれは決して難しい挑戦ではありません!
「身体が硬い」ことは決してハンディキャップではなく、それをコツコツとほどき、ゆっくりと段階を踏んでいくことで着実にステップアップすることが、上達への近道でもあります。
自分に合ったやり方・ペースで継続することで、段々と柔軟性や正しい姿勢が身につき、挑戦できる・クリアできる動きの幅が広がっていくのがバレエの醍醐味であり、「バレエって楽しい」と感じられるきっかけになるはず。
バレエが初めての方も、是非これを機に美しく・優雅な踊り、バレエの世界へ一歩踏み出してみてください!