-はじめに
今回は怪我を防ぐための対策と予防法を紹介していきたいと思います。運動をするにあたって怪我は付き物になってきます。常に万全の状態で挑めるように普段から防げるものは意識していきましょう。
◼︎バレエ初心者に多い怪我とその原因
(1) 足首の捻挫:バランス不足とフォームの誤り(2) 膝の痛み:筋力不足や過剰な負荷が引き起こす問題
(3) 腰や背中の痛み:姿勢と柔軟性の不足が原因
(4) 筋肉の張りや疲労:準備運動不足が招くリスク
◼︎怪我を予防するための基本的な心得
(1) 正しいウォーミングアップの重要性:体温・筋温を高め筋への酸素・血流量を増加させることで筋肉が柔らかくなり、素早くスムーズに収縮することができます。関節の可動域も広がり、怪我を未然に防ぐこともできます。
(2) ストレッチで柔軟性を高める方法:①体が温まった状態で行う②反動をつけずゆっくりと③息を吐きながら④伸ばす筋肉を意識する⑤継続する
(3) 基礎フォームをしっかり習得するための練習法:初心者の方向けのレッスンなどを受け、正しいフォームやテクニックを学びます。学んだこと鏡の前で動きを確認しながらチェックすることが重要です。 基礎の土台を築くことで後により高度なバレエの技術を磨くことができます。
(4) 休息と栄養で体を守るバランスの取り方:休息(睡眠)とは運動するにあたってとても重要になります。ノンレム睡眠時に成長ホルモンが分泌されると言われていますが、身体の成長はもちろん、壊れた筋の修復にも大きく関与しているのです。またより良い睡眠を取るには栄養を取ることも重要になります。必要な栄養素の摂取不足やそれらの栄養素を消耗する食習慣がある場合不眠になりやすいと考えられています。
◼︎怪我を防ぐための具体的なエクササイズ
(1) 足首の安定を高める簡単トレーニング:①足首を回す②片足スクワット
(2) 膝を保護するスクワットの正しいやり方:①反動がつくスピードでやらない②体幹に力を入れて上半身をぶらさない
(3) 体幹を鍛えることで腰や背中を守る方法:体幹を構成するのは、お腹の腹直筋や腹横筋、腹斜筋や背中の脊柱起立筋、広背筋など一般的に腹筋、背筋と呼ばれる様々な筋肉です。これらの筋肉を鍛えると体幹力が向上し、良い姿勢を保てるようになって腰や背中に負担がかかりにくくなり、予防、改善にもなります。
(4) 自宅でできるリカバリーエクササイズ:①広背筋の静的ストレッチ②股関節・腰・背中の静的ストレッチ
◼︎怪我をしにくい環境づくりのポイント
(1)バレエシューズの選び方とメンテナンス
バレエシューズを購入する際は以下の項目をチェックしましょう。合わないシューズを使うのは怪我の元です。①初めて買う場合は必ず試着
②タイツやソックスなどを履いた状態で試す
③履いた時に指が曲がってないか
④つま先に隙間がないか⑤履き口が緩まってないか。
バレエシューズの日頃のメンテナンスは水を硬く絞った布で丁寧に全体を拭き陰干します。通気性のある素材の袋の入れて保管し、靴底についてしまった松ヤニや汚れはシューズブラシで落としましょう。
(2) 適切な練習場所と床の条件
コンクリートやフローリングなどの衝撃を吸収しない硬い床は疲労を蓄積し、怪我や身体的リスクを高めてしまいます。そのためクッションフロアと呼ばれる塩化ビニール素材でできた床材がお勧めになり、取り入れられているスタジオが多いのです。
(3) トレーニング時間の適切な管理法
一般的に1回あたりのトレーニング時間は60分以内が推奨されています。この時間内で効果的なセット数とレップ数をこなすことが重要になり、逆に長時間のトレーニングは筋肉の疲労を引き起こし、回復に必要な時間を奪ってしまいます。60分以内であれば少ない時間でも問題ありません。
◼︎万が一怪我をしたときの対応と予防策
(1)初期対応としてやるべき「RICE処置」の基本
Rest(安静)→まずは安静に。Ice(冷却)→患部を15~20分間冷却する。Compression(圧迫)→患部を圧迫して血流と炎症を抑える。Elevation(挙上)→患部が下半身の場合は挙上して血流の回りを改善する。(2)無理をしない回復期の過ごし方
回復期は心身のリラックスに心掛けます。瞑想や深呼吸を行いストレスを軽減しましょう。趣味や読書、映画鑑賞などで自分の好きなことで気分転換を図ることも効果的です。睡眠も重要であり、十分な休息をとることによって身体の回復力が向上します。
(3) 怪我から学ぶフォーム改善のコツ
ゆっくりと進める→焦りは禁物です。低衝撃のエクササイズや簡単なバーの動作から始め、徐々に複雑な動きへ進みましょう