バレエをしていると足の爪がボロボロになるってホント?|NOAバレエスクール

2021.09.29

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-はじめに

バレエでは、つま先を伸ばしたりつま先で立ったりと、足を美しく見せる動きが沢山ありますよね。ですが、その分バレリーナのつま先には大きな負担がかかっていることをご存知ですか?
あらゆる技を簡単そうにこなしているように見えるバレリーナですが、実はそのうちのほとんどの人が爪の変形や外反母趾、血豆などの足に関するトラブルを抱えているようです。
今回はそんな数ある悩みの中でも、特に多くの人が抱え持つ爪の悩みについてお話していきます!


■ バレエで足の爪がボロボロになってしまう理由

バレエと言うと、トウシューズを履いてつま先で立っているバレリーナを思い浮かべる方も多いかと思います。涼しい顔をして立っているように見えて、全体重をつま先の一点にかけているためとても負担がかかっているのです。踊っている間は常にその状態が続いているため、爪が変形したり割れたり剥がれたりと、かなりのダメージを与えることになってしまうのです。
また、その症状の重症さは人によって異なってきますが、シューズやトウパッドがきちんと自分の足に合ったものであるかどうかがかなり重要になります。
つま先へのダメージを軽減するためにも、正しいシューズ選びが大切です!


■ 足の爪のお手入れ方法

そんなトラブルの多い足の爪の正しいお手入れの方法をご紹介します。

(1) 爪の長さは短すぎても長すぎてもダメ

まず、基本のケアとして爪切りは欠かせません。ただ短くすれば良いというわけではなく、長さも重要であることを忘れてはいかません!


~長すぎると起こること~
・トウシューズの中で割れる
・剥がれる
・変形する


~短すぎると起こること~
・保護される範囲が少なくなる為皮がむける
・摩擦による血豆ができやすくなる


(2) 足の爪の調整方法

極端に長すぎても短すぎても怪我に繋がりやすいと言われると、どのように整えたら良いかわからなくなってしまいますよね。
爪切りではなく、やすりを使って少しずつ短くしていくことをお勧めします。微調整がしやすいやすりであれば、短くしすぎる心配もなくなりますね。


(3) ペディキュアで保護

長さの調節だけでなく、ペディキュアを使って上から爪をコーティングして保護することで割れるのを防ぐことができます。
特に、爪が薄くて割れやすい、ひびが入りやすいという方はペディキュアを塗って事前に対策しておきましょう。


■ 足の爪のトラブル対処法

どれだけ気を付けていても、対策していても爪をきれいな状態で保つのは難しいことです。トウシューズで踊っていればトラブルは付き物です。
そこで、ここからはもし爪が傷ついてしまった時の対処法をご紹介します。


(1) 爪が剥がれてしまった場合

完全に剥がれてしまった場合は消毒をしてガーゼを当て、剥がれる寸前の浮いている場合はそのまま消毒をして包帯かガーゼで固定して病院に行くようにしましょう。
テーピングや絆創膏で頑丈に固定してしまうと、菌が繁殖してしまい膿が出たりとかえって悪化させてしまうので気を付けましょう!


(2) 爪が割れた場合

これも、まずは消毒をしてガーゼなどで固定するとよいでしょう。われ大きな割れの場合は病院に行って専用の薬をもらうようにしてください。小さな割れやひびでも放っておくと徐々に悪化してしまうので、注意が必要です!


(3) 内出血してしまった場合

爪の内出血は爪下血腫(そうかけっしゅ)といい、黒く変色するため見た目で直ぐに気付くことができます。特に親指の爪に起こりやすく、放っておくと剥がれる原因になってしまいます。
まずは爪とその周りの皮膚を消毒し、次に冷却材で冷やしましょう。冷やすことで出血量を軽減できたり、痛みや炎症を和らげることができます。


(4) 巻き爪になった場合

巻き爪になったときに多くの人がやってしまいがちなのが「深爪」です。一時的に痛みは軽減されますが、実はこれは間違いで、切った部分から更に内側に巻きながら伸びてしまうため逆効果です。
また、切り方にもポイントがあります。指の形に合わせて丸くカットしてしまいがちですが、そうしてしまうと爪の端が皮膚に当たりやすくなります。なるべく真横にまっすぐ切り、後からやすりで角をとってあげるようにしましょう。
爪の表面を削って薄くすることも、強い巻き爪を緩和させる効果があるようです。


どんなトラブルも一時的な応急処置は自分で行う必要がありますが、症状を和らげるため、悪化させないためには一度病院で診てもらうことをお勧めします。


■ 足への負担を減らす方法とは

足の爪へのダメージが多いとわかっていても、レッスンでトウシューズを履いている限りそのダメージを避けて通る事はなかなか難しいですよね。では、足への負担をできる限り減らしていくにはどうしたら良いのでしょうか。


(1) レッスンを休む

痛みを伴う練習は無意識に一部をかばうように動いてしまうため、間違った体の使い方や別の場所に負担がかかる原因になってしまいます。思い切ってお休みをとることも時には大切です!
その代わりに、つま先に負荷がかからない柔軟や筋トレなどをして体がなまってしまわないよう注意しましょう!


(2) 自分に合ったトゥシューズを探そう

お休みが大切とはいえ、完治するまでレッスンを休み続けるわけにはいかないという方も沢山いらっしゃると思います。
そんな時は、履いているトウシューズをもう一度見直してみてください。自分の足の形に合ったものを履いていますか?
普段はいている靴とは少し感覚が変わってくると思います。大きさ、幅がぴったりとフィットするものを見つけ、更にその中で正しい立ちポジションで立ちやすいもの、バランスがとりやすいものを選ぶようにしましょう。


(3) 足を鍛える

足の指を鍛えると、トウシューズの中でポアントを作ったときにバランスがとりやすくなります。
薄手のタオルや布を用意して、足の指の力だけで端から徐々に掴んで自分の方に引き寄せる練習をしてみてください。それだけで普段なかなか鍛えられない足の指のトレーニングになります!


(4) 姿勢を見直す

踊っている時の姿勢も重要です。トウシューズで立っている時に軸がブレていたり上半身が落ちた悪い姿勢になってしまっていると、その分の負担がつま先の一点にかかってしまいます。きちんと体幹を使って上半身を引き上げることで動きも綺麗に見えますし、足への負荷も軽減できるので、踊っている時の姿勢は鏡でよく確認するようにしてみましょう!


-終わりに

今回は、多くのバレリーナの悩みである足の爪のトラブルについてお話してきました。いかがでしたか?
「痛みはあるけれどレッスンが休めない」「そもそも病院に行くべきなの?」「どうしたら対策できるの?」「正しい処置の方法がわからない」など、同じような症状に悩んでいる方は沢山いらっしゃいます。
まずは無理をしないことが大切ですが、ケアや対策をするだけで症状の軽減はかなり期待できます。
ここまででご紹介してきた方法で、ご自身にあったものを見つけて実践してみてください。つま先への負担を減らしてレッスンを楽しみましょう!