-はじめに
バレエにおいて、表現力は必要不可欠なものです。特に、物語作品ではいかに役に入り込んでその人物の心情を観ている人に伝えるかが重要になってきます。バレリーナは"泣く"、"笑う"などの感情の一つ一つを表情や動きによって表現しています。その方法は様々ですが、今回は「マイム」という表現方法についてご紹介します。
「マイム」を学んでバレエ作品をより深く理解していきましょう!
■ 「マイム」とは
バレエ用語の「マイム」とは、身振り手振りのことを言います。フランス語ではミーム:「黙撃」の意味があり、19世紀以前のバレエでよく使われていたそうです。現代で言う「パントマイム」と同義語になります。
バレエ演目には台詞が存在しないため、演技の中に含まれるこのマイムが感情表現の手段としてかなり重要になってくるのです。
■ 基本的なマイムの種類とやり方
ここからは、マイムの種類とそれぞれのポーズが持つ意味をご紹介します。(1) 泣く
指や手のひらを使って、目から涙が零れ落ちる動きをします。
(2) 美しい
右手の甲を左頬に添え、そのまま顎を通って右に滑らせます。
(3) 私
手を自分の胸に当てます。片手で表す場合と両手で表す場合があります。
(4) あなた
手のひらを上に向けて相手の方向に柔らかく差し出します。
(5) 愛している
両手を重ねて左胸に当てます。この動きは心臓を抑えるイメージです。
(6) 怒る
両手を顔のあたりまで上げてこぶしを握ります。
(7) 嫌
顔を背けて相手の方へ手のひらを突き出します。首を横に振る場合もあります。
(8) 誓い
右手の人差し指と中指を揃えて立て、斜め上に高く上げます。その時、左手は胸に当てます。
(9) 結婚
左手を前に差し出し、右手の指か手のひらを使って左手の薬指を指します。これは結婚指輪を表します。
(10) 王・王妃
手のひらを向かい合わせて王冠を持っているような形をつくり、それを頭の上に持っていきます。または、片手を頭の上に持っていき、手首を曲げて指先を真上に向けます。その手を頭上で横に引き、王冠の形を表します。
このように、それぞれの動きが異なる意味をもっており、いくつかの動きを組み合わせることで幅広い表現を生み出しています。
マイムを観ている人により伝わりやすくするためのコツは、首から指先にかけての余分な力を抜き、動きを大きく優雅に見せることです。上半身を引き上げてデコルテを広く見せるイメージで行うのが理想です。
あとは自分がその役に入り込んで演技をすることが何より大切です!
-終わりに
今回はバレエの「マイム」についてお話ししてまいりました。いかがでしたか?皆さんもご存じのくるみ割り人形やドン・キホーテ、白鳥の湖、ジゼルなどの作品の中にも様々なマイムが含まれています。
一つ一つの動作の意味を理解すると、バレエ演目を鑑賞した際に登場人物の心情や表現がより伝わってきて、世界観を楽しむことができるでしょう。
次回はバレエ作品のマイムを解説します。