-はじめに
バレリーナといえば、スタイルがとてもよく姿勢がいいイメージがある方がほとんどではないでしょうか?ここではバレエの動きで初心者の方でもできるストレッチをご紹介していきます。
■ ただ細いだけじゃない!しなやかな美ボディ
バレリーナをイメージすると、細く長い手足や首筋を思い描く人が多いのではないでしょうか?食事に気をつけたり、体重の管理をしているから細い。
というのはもちろんですが、バレエの動きそのものが細い体型を作りやすくしているからです。
バレエの動きといっても様々な要因がありますが、その中でも今回は筋肉の使い方について。
踊るためには、足をふり上げたり、キープしたり、軽快なジャンプではずっと動かし続けたり...
全身をあらゆる方向、あらゆるスピードで動かすため、それぞれの動きに筋肉が必要です。
それぞれの動きはちがっても、バレエではすべての筋肉を引き伸ばして、長くするイメージで使っているため、細くても筋肉のある体型を作ることができます。
■ バレエストレッチの効果とは
バレエストレッチとは、単なるストレッチではなく、"バレエ要素"を取り入れたストレッチ方法です。筋肉を伸ばしたり、身体を柔らかくするためなら、「普通のストレッチでもいいのではないか?」と思ってしまいがちですが、バレエストレッチは普通のストレッチでは得られない効果を得ることができます。
一番の違いは、背筋をピンとさせて姿勢をよくすることができること。
バレエストレッチは、姿勢を意識して行うものが多いので、単に身体を動かすストレッチとは異なり、猫背などを矯正することが期待できます。
バレエストレッチで日頃からキレイな姿勢を保つことができるようになりますが、他にも嬉しい効果がたくさん期待できます。
・全身を柔らかくすることができ、血流の流れがよくなるので代謝が上がる
・全身をバランスよく鍛えることができ、しなやかなボディのままシェイプアップできる
・ホルモンバランスが整い、イライラや生理痛を軽減できる
・全身の血行がよくなり、冷え性やコリ、むくみを改善できる
・疲労回復効果を高めることができ、疲れにくい身体作りをサポートしてくれる
バレエストレッチだけで、これだけの効果があるのは嬉しいですね。
家でできる簡単なストレッチばかりなので、ぜひ試してみてください。
■ 自宅で簡単バレエストレッチ
(1) 肩こり解消
デスクワークだけでなく、長時間スマホを使っていると肩も凝ってきますよね。肩甲骨に効くバレエストレッチを行うことで、コリを解消できるだけでなく、背中の脂肪をつきにくくしてくれるんです!
①あごを引いて、背筋を伸ばします。
②両手を上に伸ばして、手の甲を合わせるのですが、両腕は耳の後ろに来るようにします。
③そのままの状態で、ゆっくりひじを曲げ、両腕を下ろしてきます。
④一度上に戻したら、また③を行いましょう。
上げ下げを1セットにして、10回繰り返してみてください。
呼吸を忘れないことと、腕をしっかり大きく広げて下ろすことがポイントです。
(2) すっきり太もも
開脚バレエストレッチで、太ももの内側を伸ばしていきましょう。
①床に開脚をして座ったら、無理のない範囲で上体を前に倒します。
②次に右足を折り曲げて、足裏を左ももの内側につけたら、左足の爪先を左手で掴み、上体を左に倒しながら右手は上に上げます。
③10秒キープしたら、反対側も同じように行いましょう。
内ももや、サイドに上体を倒したときに側面が伸びていることをしっかり意識してみてください。
最初は身体が床や足につかなくても、毎日行っていくことで見違えるほど身体が柔らかくなっていきます。しなやかな美ボディになってる証拠でしょう。
(3) 脚痩せ
足の裏側全体もバレエストレッチでほぐしていきましょう。足の裏側は意外とコリやすい部分です。
しっかりほぐしてあげることで、しなやかな美ボディを目指せます。
①床に座って両足を揃えたら前に伸ばします。
②まずは両腕を天井に伸ばして、しっかり骨盤を立てます。
③そのままの状態で、腰から上体をゆっくり前に倒れるところまで倒していきます。
④20秒キープしたら、①の状態に戻り、これを5回~10回繰り返しましょう。
ポイントは、ひざを曲げないことと、骨盤から前に倒すイメージで行うことです。
そして、天井に両腕を伸ばしたとき、指先まで意識して伸ばしてみてください。
そうすることで引き締まったボディだけでなく、動作の美しい女性になることができます。
バレリーナも指先までの動作が美しいので、バレリーナになった気分で行うといいです。
■子供と一緒にできるストレッチ
股関節の可動域が狭いと、たとえば転んだときに、衝撃をやわらげることができず、捻挫や肉離れなどの怪我を起こしやすくなります。また、股関節が硬いと血行が悪くなり、冷えやむくみにつながりやすいです。ストレッチは急に結果は出ないので、毎日コツコツ続ける必要があります。私はバレエスタジオで、大人も子どもも教えていますが、体の硬さは本当に人それぞれ。でも皆さん、毎日ストレッチを続けるうち、必ず体が変わってきます。そのためには、焦ってグイグイ強い力で押したり、引っ張ったりしないこと。ゆっくりと呼吸しながら、筋肉をやわらかく伸ばすイメージで続けてください。
強い反動をつけておこなうのはNGですが、気持ちのよいところまで伸ばすために、親子で手を貸し借りしながらストレッチをするのもよいそうです。
◆ゆりかごのストレッチ
1:股関節を開いて座り、足裏を合わせます。両足を手で持ち、姿勢をまっすぐに整えます。お尻が出ないようにしましょう。
2:1の体勢のまま、左右に体を揺らして、左右の座骨に体重を乗せます。両足をしっかりとつかみ、姿勢が崩れないようにキープしましょう。ゆっくりと呼吸しながら、少しずつ股関節をほぐしていきます。
◆左右開脚のストレッチ
1:左右に大きく開脚します。180度開けなくても、自分が無理なく開ける範囲までで構いません。姿勢をまっすぐに正し、両手を前につきます。
2:ゆっくりと息を吐きながら、両手を前へすべらせて、少しずつ上半身を前へ倒していきます。このとき、姿勢が崩れたり、お尻が床から浮いたりしないように注意! ももの裏とひざの裏はしっかりと伸ばしたまま、前傾していきます。
3:無理なく倒せるところまででOKです。ももの裏とひざの裏がよく伸びているのを感じましょう。体を倒した状態で、ゆっくりと呼吸してください。
◆股関節とお尻のストレッチ
1:あお向けに寝て、片足を上げ、体の前で膝を抱えます。もう片方の足はまっすぐに伸ばします。
2:ゆっくりと息を吐きながら、手で膝を体に引き寄せていきます。このとき、伸ばしている足が床から離れないようにしましょう。お尻の筋肉がよく伸びているのを感じます。数セット繰り返したら、もう片足も同様におこないましょう。
◆大きく踏み込むストレッチ
1片膝をついて座ったら、前足に体重を乗せて、大きく踏み込んでいきます。
2:後ろ足の前側の付け根がよく伸びるのを感じます。写真ほど踏み込めなくても、自分が無理なくできる範囲までで構いません。ゆっくりと息を吐きながら、少しずつ踏み込める範囲を大きくしていきましょう。もう片足も同様におこないます。
■音楽をかけてバレリーナ気分に
有名なバレエ音楽・白鳥の湖
白鳥の湖と聞くと、真っ先にバレエが思い浮かぶのではないでしょうか。いわば世界一ポピュラーなバレエ音楽であるこの作品は、数々のバレエ音楽を手掛けたチャイコフスキーが作曲しました。
ゼリア新薬の「ヘパリーゼ」のCMやお笑い、シリアスな舞台作品など、さまざまなシーンで耳にすることが多く、
特に「4羽の白鳥の踊り」は有名で、誰でも一度は見たことがあるといっても過言ではありません。
・くるみ割り人形
こちらもチャイコフスキーの作曲です。くるみ割り人形という名前は知らなくとも、ソフトバンクのCMのかわいくて楽しげな曲を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは、くるみ割り人形の第7曲「あし笛の踊り」というタイトルの曲なのです。
これ以外にも15歳の浅田真央ちゃんが踊った「花のワルツ」「金平糖の踊り」などが特に有名です。
・ボレロ
年末年始にテレビをつけるとやっている、オーケストラのコンサート。カウントダウンを横目に、時間ぴったりに終われるのか!?とハラハラしながら聞くこの作品も、実はバレエの音楽なのです。
曲の構成は単純なのにもかかわらず緻密に計算されているのが特徴で、聞いている人をなぜか引きつけてしまいます。バレエ作品としてはベジャールの振り付けが有名です。
大きな中華テーブルの中心に男性または女性のソロダンサーが踊り、その周りを囲むように群舞が入ります。音楽とともに踊りも盛り上がっていく様子は見事で、15分以上の上演時間もあっという間に感じてしまうほどです。
・眠れる森の美女
チャイコフスキーの三大バレエとして親しまれているこの作品は、童話と同じく、糸車の毒針に刺さって眠りに落ちてしまったオーロラ姫を、デジレ王子が助けいくというハッピーエンドの物語です。1959年公開のディズニー映画「眠れる森の美女」の主題歌である「いつか夢で(Once Upon a Dream)」に使用されたことから、一般にも広く親しまれています。
・ロメオとジュリエット
プロコフィエフ作曲のロメオとジュリエットは、シェイクスピアの悲劇を題材にした作品です。中でも特に有名なのは、ソフトバンクのCMにも使われた「モンタギュー家とキャピュレット家」で、強い不安を起こさせるような音楽が特徴です。
・ドン・キホーテ
ミンスク作曲のこの作品は、若い男と女の恋のお話です。舞台はスペインで、グランパドドゥという男女のペアの踊りが有名です。
・シンデレラ
シンデレラというと、童話やディズニー映画を思い浮かべる方が多いと思われますが、実はバレエやオペラの題材にもなっています。プロコフィエフが作曲したシンデレラは、満載のダンスシーンと、時に刺激的な音楽が特徴です。
・牧神の午後への前奏曲
ドビュッシー作曲のこの作品は、はっきり言って「きれいなバレエ」ではありません。ダンサー全員が変な形の手で踊り、フルートの旋律はグニャグニャとしていてつかみどころがありません。お堅いクラシックバレエはちょっと苦手・・・という方にこそオススメの作品です。
・ノートルダム・ド・パリ
ユゴーの小説を題材にしたノートルダム・ド・パリは、ローラン・プティの振り付けが有名です。カラフルな衣装、不協和音満載でリズミックな音楽、バレエの良さをたっぷり生かした現代的な振り付けが混ざり合っているため、玄人うけも抜群です。
題材が同じで内容もほぼ同一の、エスメラルダというバレエ音楽も存在します。
・海賊
バレエダンサーにとってはとても有名なこの作品は、もともとはアダンの作曲です。
しかし、年月を経るごとに他の作曲家たちのが次々に楽曲を挿入して行ったという変わった経緯があります。
・コッペリア
コッペリアという人形が引き起こす恋愛ドタバタ劇です。バレエはとっても楽しい喜劇なのですが、意外なことに原作は「砂男」という怖い小説です。
-終わりに
なかなか外に出られない時期で運動不足になりがちな現況ですが、おうちでできることはあります。ストレッチは場所もそこまで取らず、親子でできるものもあります。
元気に体作りで免疫を上げ、暗い雰囲気を吹き飛ばしましょう!