バレエ「ボレロ」はダンサーによって全く違う作品に!?|NOAバレエスクール

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-はじめに


バレエ作品「ボレロ」についてご存じですか?バレエ初心者の方には聞き馴染みのないワードですよね。しかし、バレエの誕生にも関わる大事な作品なので、一緒に学んでいきましょう。


■ 作曲家「モーリス・ラヴェル」


「ボレロ」はバレエ音楽のタイトルです。作曲したのはフランスの作曲家モーリス・ラヴェルで、「スペイン狂詩曲」や「ダフニスとクロエ」などの作曲でも知られています。


■ ボレロはバレエの為に作られた


イダ・ルビンシュタインというバレリーナが自身のバレエ団のためにラヴェルに依頼したことで楽曲「ボレロ」は生まれました。その楽曲にモーリス・ベジャールが振り付けしたものがバレエ作品「ボレロ」として広く知れ渡りました。バレリーナのために書かれた曲だからこそ、きちんとあらすじがあります。


■ バレエ作品「ボレロ」とは


(1) ボレロのあらすじ


セビリアの酒場で、スペイン人の踊り子が舞台でゆったりとリズムを取り始めます。最初は周りの客たちは見向きもしません。しかし、それが徐々に華やかな踊りになっていくと、高揚感が周りに伝わり、酒場の客たちも踊りだします。そして最後には皆で踊るというあらすじです。


(2) 円形の赤い台


ボレロは作中で円形の「赤い台」を使うのが特徴的です。主役の踊り子は赤い台を舞台に踊り、舞台下に酒場のお客さんがいるという形です。赤い台の上で踊る主役はメロディーと称されています。


(3) 許可されたダンサーしか踊れない?


「踊れない」というのは難易度の話ではありません。実はベジャール振り付けのボレロを発表会で踊れるのは、モーリス・ベジャール・バレエ団に許可されたバレリーナやバレエ団だけなのです。特にメロディーを踊れるのは、世界のトップバレリーナの中でも選ばれしダンサーのみと言えます。


■ ボレロの魅力を感じる動画


(1) シルヴィ・ギエム


100年に1人の天才プリマと呼ばれるダンサーです。引退前最後にボレロを踊ったのは日本公演でした。

(2) 上野水香(東京バレエ団)


日本の女性ダンサーで唯一メロディーを踊ることを許可されている稀有な存在です。女性らしい柔らかい動きに注目です。


(3) マヤ・プリセツカヤ


幼少期にはオリンピックの体操選手を目指していた過去もあるため、身体の芯がしっかりしていてしなやかな踊りが魅力です。


(4) 首藤康之


ギラギラとした目力で迫力のある日本の男性ダンサーです。ボレロ以外でもご本人のベジャール作品への愛が伝わってきます。


(5) ジョルジュ・ドン


視聴者・観客を引き込む表現力が素晴らしく、ボレロの最高傑作はジョルジュ・ドンだと称える人も多いです。


-終わりに


 動画をご覧になると分かる通り、ボレロはダンサーそれぞれの味が出るので見ていて楽しいですよね。ボレロの魅力は奥深いので、今回紹介した動画以外のステージもぜひチェックしてみてください。