皆さんアレルキナーダの物語をご存じでしょうか。最近ではコンクールでもよくアレルキナーダのヴァリエーションが踊られています。そんなアレルキナーダですが、映画のワンシーンにも登場しているのです。2020年9月25日に公開されているバレエをテーマにした映画「ミッドナイトワン」では衝撃的なワンシーンで踊られて一時期話題になりました。気になるアレルキナーダについてご紹介したいと思います。
■ アレルキナーダのあらすじ
アルルカンとコロンビーヌというとても仲の良い恋人がいました。しかし、コロンビーヌの父カサンドルはそれをよく思っていなく、お金持ちであるレアンドルとの結婚を試みていました。カサンドルはアルルカンとコロンビーヌを引き離すためにコロンビーヌを家に閉じ込め、カサンドルの従者であるピエロに鍵を預からせます。それを見ていたピエロの妻ピエロットはかわいそうに思い、鍵を盗み2人を助けました。閉じ込められていた父の家から逃げ出したコロンビーヌは久しぶりにアルルカンと再会し、甘い時間を過ごしました。
ピエロはアルルカンとコロンビーヌが一緒にいることに気づき、慌てて部下に追いかけさせました。家の中は乱闘になり、アルルカンはバルコニーから落ちてしまいますがグットフェアリーに助けられ奇跡的に生きかえります。お礼をした後にコロンビーヌと結婚するために助けてほしいとグットフェアリーにアルルカンは願います。すると願いが叶う魔法のスティックを授けてもらい、アルルカンはカサンドルとピエロをやっつけます。
そうして結婚することになったアルルカンとコロンビーヌですが、諦めていない父は邪魔をしようとします。アルルカンはまたもや魔法のスティックを振り、グットフェアリーの手助けもあり2人は幸せに結ばれたのです。
■ アレルキナーダの衣装と三角帽子
アレルキナーダといえば可愛い三角帽子が特徴的な衣装になります。フェアリードールの中の物語をイメージして作られた作品であるため、題名にもあるアレルキナーダ(Harlequinada)というのが道化・ピエロという意味を表すため、ピエロの人形をイメージした衣装になっています。そのためピエロの被っている三角帽子が衣装になっているのです。そして男性の衣装はピエロlをイメージした菱形のマークが取り入れられていたり、目を覆った目隠しのようなものが特徴的です。
■ アレルキナーダで使用されている曲
リカルド・ドリゴ作曲による「百万長者のハーレキン」"Les Million d'Arlequin" という曲名でサンクトペテルブルクのエルミタージュ劇場で世界初公演されました。
■ アレルキナーダのヴァリエーションと難易度
(1) コロンビーヌのVa
登場からすべて可愛らしく元気なヴァリエーションになります。回転が多く、ピルエットからそのまま前にパッセの足を下ろさずに足を前に上げたりと難易度の高い組み合わせの回転が多いのが特徴です。あとは可愛らしい振りを曲に合わせていかに上手に見せるかがポイントになり、大人になればなるほど難易度が高くなるヴァリエーションです。
(2) 男性のヴァリエーション
男性のヴァリエーションはダイナミックなところが特徴的で、振付はほぼジャンプと回転で構成されています。長さとしては女性と同様に数分になりますが、その数分間に高難易度で体力を要するテクニックが詰め込まれます。そのため女性に比べるとヴァリエーション難易度は一気に上がります。