-はじめに
バレエ作品「ラ・バヤデール」についてご存じですか?ヴァリエーションは知っているけど、ストーリーはよく分からない・・・という方も多いのではないでしょうか。今日はインドが舞台となっている「ラ・バヤデール」の作品について一緒に学んでいきましょう!
■ バレエ作品「ラ・バヤデール」とは
(1) ラ・バヤデール?バヤデルカ?
「ラ・バヤデール」はフランス語、「バヤデルカ」はロシア語、と呼び方が違うだけで、同じ物語を指します。ロシア以外では「ラ・バヤデール」の名称が一般的なので、今回は「ラ・バヤデール」と統一してお話します。(2) 発表会やコンクールで踊られることも多い
発表会やコンクールでよく踊られるのが女性は「ガムザッティ」のヴァリエーション、男性は「ソロル」「ブロンズ像」のヴァリエーションです!どれも華やかでダイナミックな印象の踊りです!
■ 登場人物
・ソロル・・・クシャトリャ(高い身分の階級)の戦士、ニキヤの恋人・ニキヤ・・・インドの寺院に仕える美しい舞姫
・ガムザッティ・・・ラジャの娘
・ドゥグマンタ・・・ラジャ(王)
・大僧正・・・寺院の権力者
■ あらすじ
(1)第一幕
第一場舞台は古代インド。インドの寺院に仕える舞姫「ニキヤ」と戦士でありニキヤの恋人「ソロル」がいました。ある日、森にある寺院で火の祭りが行われ、舞姫たちは美しい舞を奉納します。
その舞姫たちの中でひときわ美しいニキヤに大僧正は心を奪われ、求愛しますが、ニキヤに拒絶されてしまいます。
祭りが終わりを迎える頃、ある苦行僧がニキヤにソロルが物陰に隠れて待っていることを告げます。ニキヤはとても嬉しくなり、ソロルが現れると嬉しさのあまり胸の中へ飛び込んでいき、二人は永遠の愛を誓い合います。
この二人の会話を盗み聞きしていた大僧正は嫉妬で怒り狂い、ソロルへの復讐を企てるのでした。
第二場
場面は「ラジャ(王)」の宮殿に変わり、ラジャが自分の娘「ガムザッティ」にソロルと結婚するよう告げ、ソロルもまた、ラジャにガムザッティと結婚するように告げられます。
ニキヤを愛しいているソロルは戸惑いますが、ガムザッティの美しさに心を動かされ、またラジャに逆らうことができず結婚を承諾します。
宮殿では婚約した二人を祝うため、様々な余興が繰り広げられます。
そんな中、大僧正はラジャにニキヤとソロルが恋人であることを告げ口し、怒ったラジャはニキヤを殺すと決めました。
ニキヤのことが好きな大僧正は、ソロルを殺してほしいと願っていたので、大慌て。
一方ガムザッティはこの会話を聞き、ニキヤを自分の部屋へこっそり呼び出し、ニキヤに別れを迫るが応じません。
憤ったガムザッティに殴られニキヤは思わず短剣を握るが、侍女に阻まれ部屋を飛び出します。
ガムザッティは侍女にニキヤを殺すよう命じます。
(2) 第二幕
舞台はソロルとガムザッティの結婚式。お祝いのために様々な余興が行われます。扇の踊り、パドカトル、ブロンズ像の踊り、壺の踊り、太鼓の踊り、そしてガムザッティとソロルのグランパドドゥへと続きます。そんな中、ニキヤも舞姫として悲しげに舞います。ガムザッティの侍女から「ソロルからのプレゼント」だと花かごを受け取り喜んで踊るが、実はラジャとガムザッティが用意したもので、花かごの中には毒蛇が隠されていたのです。
毒蛇に咬まれて倒れたニキヤに大僧正が自分と一緒になることを条件に解毒剤を与えますが、あまりのショックに、ニキヤはこのまま死んでしまおうと決意したのでした。
(3) 第三幕
ニキヤを裏切った悔恨と彼女を失った悲しみに暮れるソロルはアヘンを吸い、幻覚(影の王国)でニキヤの姿を見つけ、愛を誓います。幻覚から覚めたソロルはガムザッティとの結婚式の続きが執り行われるが、ニキヤとの愛の誓いを破ったソロルに神が怒り、寺院が崩壊し全員死んでしまいます。
■ ラ・バヤデールの見どころ
ラ・バヤデールの見どころは西洋文化を中心としたバレエの世界で古代インドが舞台というストーリーが珍しく、衣装や音楽がエキゾチックなのが見どころの一つです。また結婚式の場面ではたくさんの踊りが披露されるので観ていてとても楽しく、テクニック満載、見応えのあるヴァリエーションが多いです。