バレエ作品「椿姫」とは?|NOAバレエ教室

2021.03.11

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-はじめに

皆さんは「椿姫」という作品をご存じでしょうか?
バレエ以外でも他の公演でご存じの方もいるかもしれません。
バレエではあまり聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は「椿姫」についてご紹介していきたいと思います。


■ バレエ作品「椿姫」とは

(1) 小説やオペラもある?原作を知ろう

1848年に出版されたパリの小説家デュマによる原作をもとに、その4年後1852年ヴェルディ作曲のオペラが公開され有名です。
バレエでもNYCB、アシュトン、ベジャールなど様々な振付家が創作し、今ではジョン・ノイマイヤーが1978年に発表した作品が、見事な完成度で世界的に愛され続けています。
小説は、アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)が1848年に実際の体験を基にして書いた長編小説。小デュマ自身による戯曲も書かれた。主人公のモデルはかつて作者が交際していたマリー・デュプレシという高級娼婦。恋人アルマンのイニシャルである「AD」は小デュマのイニシャルと同じである。この作品は人々に愛されて幾度も舞台化、映画化され続けてきた。演劇に写実主義を初めて持ち込んだ作品でもあります。
オペラに関しては、原作が出されてからすぐにオペラ化されました。
バレエよりも昔からあります。
バレエは、かの有名なショパンが作曲した曲を使用しています。
バレエのために作った曲ではないのですが、見事にマッチしております。
楽曲は異なるので、オペラとバレエは全く別物としてとらえていただくのがいいかと思います。


(2) 登場人物

マルグリット・ゴーティエ 主人公の女性 高級娼婦
アルマン・デュヴァル マルグリットに恋した青年
ムッシュー・デュヴァル アルマンの父
プリュダンス マルグリットの女友だち
ナニーヌ マルグリットの侍女
オランプ マルグリットの娼婦仲間の女性
ガストン アルマンの友人でマルグリットに紹介する


(3) あらすじ

19世紀中ごろのパリ。夜の世界(ドゥミ・モンド、裏社交界(en))に生き、月の25日間は白い椿を身に付け、残り5日の生理期間には赤い椿を身に付けたために人々から『椿姫』と呼ばれた高級娼婦マルグリット・ゴーティエは贅沢三昧の生活に心身共に疲れ果てていた。
そこに現れたのが友人に紹介された青年、アルマン・デュヴァルだった。青年の正直な感情に最初は戸惑いを覚えていたマルグリットだったが、今まで感じ取ったこともない誠実な愛に気づき、二人は相思相愛の仲となった。マルグリットは享楽に溺れる生活を捨て、パリ近郊にあるアルマンの別荘で幸福の時を過ごすが、それは長くは続かなかった。
息子のよからぬ噂を聞いて駆けつけたアルマンの父親がマルグリットに息子と別れるように告げた。それを聞いて彼女は驚いたが、それでも真実の愛に満たされた彼女はアルマンの将来を守るために、身を引く決心をした。パリに戻ったマルグリットは、心ならずも新しいパトロンを作り、高級娼婦稼業に戻った。 事情を知らないアルマンは裏切られたと思い込み、彼女を苛んだ挙句、傷心のまま外国へ旅立った。 心身共に傷ついたマルグリットの病状は次第に悪化したが、いつかアルマンと別れた本当の理由を知る事を願って、事の顛末を手記に書き記し、自分の死後アルマンに渡す様、友人に託した。
アルマンはマルグリットの危篤を知り、急いでパリへ向かったが彼女は既に亡くなり埋葬も競売も終わっていた。しかし、マルグリットの手記では、世間からは忘れられた存在となっていたが、最期までアルマンへの愛を唯一の希望にしていた事が書かれていた。


■ 椿姫に使用されるショパンの名曲

・ピアノ・ソナタ第3番ロ短調作品58第3楽章ラルゴ
・ピアノ協奏曲第2番へ短調作品21
・華麗なる円舞曲変イ長調作品34の1
・3つのエコセーズ作品72の3
・華麗なる円舞曲へ長調作品34の3
・24の前奏曲作品28第2番イ短調第24番ニ短調
・ポーランド民謡による大幻想曲イ長調作品13ラルゴノントロッポ、アンダンティーノ、ヴィヴァーチェ
・バラード第1番ト短調作品23
・アンダンテ・スピアナート変ホ長調作品22
・華麗なるポロネーズ変ホ長調作品22
・ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11第2楽章ロマンツェ


■ 椿姫のバリエーション

椿姫は、バリエーションではなくパドドゥになります。
内容的には、かなり濃厚で、男女の複雑な心情を表しているパドドゥで、技術的にも難しいため、世界で踊られているバレエダンサー同士で踊る椿姫のパドドゥは、圧巻です。
そして二人で愛を表現するために、表現力が問われます。


-終わりに

いかがでしたでしょうか。椿姫にはモデルとなった女性がいます。実在の女性は、デュマと同い年であった、高級娼婦アルフォンシーヌ・プレシ(マリ・デュプレシ)と言われています。このお話は1年半で起こった出来事見たいです。
そしてショパンの曲がより一層感情を揺さぶられる作品となっております。
是非一度観劇してみてはいかがでしょうか。ショパン好きにも必見だと思います!