-はじめに
バレエには「ヴァリエーション」というものがあることをご存知ですか?物語作品の発表会やバレエコンクールにヴァリエーションは欠かせません。
今回は初心者の方でも始めやすい大人向けの曲をご紹介します。
■ ヴァリエーション(バリエーション)とは
クラシックバレエの作品の中で、ソロで踊る曲をヴァリエーションといいます。曲によってある程度振り付けの型が決められており、その中で一つひとつの技を綺麗に魅せる、言わばバレエダンサーの技術の見せどころです。
■ 大人初心者の選び方
(1) 曲の長さ
平均的に2分前後の曲がほとんどです。演目によって曲の速さや技のレベルが様々なので、まずは踊りやすいテンポで易しい振り付けの曲を選んでみるのが良いでしょう。
(2) 衣装
バレエの衣装というと一般的に水平に広がった丈の短いチュチュを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、足をあまり出したくない、踊っている時に膝が曲がってしまうのが悩み、という方でも大丈夫です。可愛らしいものから大人っぽいものまで、チュチュにも様々な種類があります。
・ロマンティックチュチュ
くるぶし辺りまである長めの丈でベル型のふんわりとした衣装。演目は「ジゼル」「ラ・シルフィード」など。
・クラシックチュチュ
固めのチュールを重ねた腰から水平に広がる形のチュチュ。演目は「眠れる森の美女」「白鳥の湖」など。
・オペラチュチュ
ロマンティックチュチュとクラシックチュチュの中間の丈のスカート。演目は「くるみ割り人形」「シンデレラ」など。
・パンケーキチュチュ
ワイヤーなどを使ってパンケーキの様に真横に広がるよう固定されたチュチュ。演目は「白鳥の湖」など。
・ジョーゼット
ジョーゼット素材の軽い生地で作られたチュニック型の衣装。演目は「ロミオとジュリエット」「ドン・キホーテ」など。
(3) シューズ
バレエには、バレエシューズとトウシューズの2種類があります。サイズや履き心地などによって踊りやすさと美しさが左右されるため、シューズ選びはとても重要になってきます。
・バレエシューズ
柔らかい素材で作られており、大きく布製と皮製の2つに分かれています。
布製のものは足に馴染みやすく、皮製のものは耐久性に優れているといった特徴があります。
・トウシューズ
つま先で立つために作られたシューズ。先端に芯が入っており、平たくなっている部分に重心を乗せて立つことができる設計になっています。
■ 大人初心者におすすめのヴァリエーション
(1) レ・シルフィードのVa
月明かりの下、空気の精(レ・シルフィード)による優雅で幻想的な踊り。衣装は純白のロマンティックチュチュで、曲調もゆったりとしているため、大人っぽい美しさのある曲です。
(2) シンデレラ 冬の精のVa
個性あふれる四季の精のヴァリエーションの一つ。白くキラキラとした衣装を身にまとい、一つひとつの技の形をはっきりと魅せるような踊りです。
(3) 眠れる森の美女 フロリナ姫のVa
塔の中に閉じ込められているフロリナ姫が鳥のさえずりを聴きながら踊る曲。爽やかな曲調に合わせて、鳥の優雅さとお姫様のおしとやかなイメージを踊りで表現します。
(4) ジゼル 第一幕 ペザントのVa
葡萄の収穫祭の中で村娘によって踊られる曲。明るく軽やかなイメージで、楽しさを表現します。アラベスクやステップなどの動きが象徴的な踊りです。
(5) 白鳥の湖 パ・ド・トロワ
王子の成人を祝う舞踏会で踊られる一曲。楽しく明るい中にもどこか落ち着きのある踊りです。誕生会というお祝いの場面のため、衣装は華やか且つ気品のあるロマンティックチュチュを身に着けます。
-終わりに
今回はバレエ初心者の方でも始めやすいヴァリエーションについてご紹介しました。いかがでしたか?初心者のうちからヴァリエーションに挑戦するのは簡単ではないと思われがちかもしれません。ですが、初心者だからこそソロで踊ってみることで自分の好きな役になりきってバレエの世界観を楽しむことができたり、表現力と技術の上達に繋がったりと良い発見ができるのです。
是非お気に入りの一曲を見つけて自分らしい表現で演じてみてください。